介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格で、資格を持つことで給料が上がる仕組みが整っています。厚生労働省の調査によると、介護福祉士の給与は無資格の介護職員より月5万円以上高いというデータもあります。
本記事では、介護福祉士と無資格の給与差を公的データで確認し、資格取得の方法や未経験からのキャリアパスまでを整理します。
介護福祉士とは|転職で知っておきたい資格の全体像
介護福祉士という国家資格ができた背景には、介護の質の担保と、専門職としての社会的地位向上という狙いがあります。
無資格や研修修了者でも介護の仕事に従事できますが、より専門的な判断や、他のスタッフを指導する立場を任されるようになるには、介護福祉士の資格が一つの目安になっているのが実情です。
介護福祉士は、介護に関する専門的な知識・技術を持つことを証明する、介護分野で唯一の国家資格です。身体介護や生活援助だけでなく、利用者・家族への相談援助や、他のスタッフへの指導的な役割も期待される、介護職のキャリアにおける一つの到達点といえる資格です。
無資格や初任者研修修了者と違い、国家試験に合格する必要があるため、取得には一定の学習と実務経験が求められます。
介護福祉士の給料は無資格とどのくらい違うのか

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、月給・常勤の介護職員のうち、介護福祉士の平均給与額は350,050円、保有資格なしの介護職員は290,620円で、その差は月額59,430円にのぼります。年収換算では70万円以上の差になる計算です。
この調査は、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所を対象に実施されたもので、令和5年から令和6年にかけて、保有資格の有無にかかわらず給与は増加傾向にあります。
この調査の平均勤続年数を見ると、介護福祉士は10.4年、無資格の介護職員は5.8年となっており、勤続年数の差も給与差の一因になっていると考えられます。
とはいえ、同じ勤続年数であっても資格の有無で給与テーブルが分かれている事業所は多く、資格取得そのものが給与アップの直接的な要因になっている面は大きいといえます。
この給与差が生まれる背景には、国が進めている「介護職員等処遇改善加算」という制度があります。
事業所が一定の要件を満たして加算を取得すると、その財源をもとに、資格やキャリアパスに応じた給与改善を行う仕組みになっています。
介護福祉士の資格取得は、この加算の恩恵を受けやすくなる第一歩ともいえます。
保有資格別に見る介護職の給与水準
同調査では、介護福祉士以外の資格についても給与水準が示されています。
最も給与水準が高いのは社会福祉士で397,620円、次いで介護支援専門員(ケアマネジャー)が388,080円、介護福祉士が350,050円と続きます。実務者研修修了者は327,260円、介護職員初任者研修修了者は324,830円で、資格のレベルが上がるにつれて給与も段階的に上昇する傾向がはっきりと表れています。
この結果から分かるのは、介護福祉士はゴールではなく、さらに上位の資格(社会福祉士やケアマネジャー)を目指すことで、給与をさらに伸ばせる可能性があるということです。
まずは介護福祉士を取得し、その後のキャリアとして上位資格を検討するという段階的なステップアップも、介護業界では現実的な選択肢のひとつです。
介護の仕事に転職してから、主任ケアマネジャー・社会福祉士・介護教員の資格を取得しました。人手不足は慢性化していますが、資格を積み重ねることで任せてもらえる仕事の幅も広がったと感じています。
介護福祉士の資格を取得するには


介護福祉士の国家資格を取得する主なルートは、実務経験ルートと養成施設ルートの2つです。実務経験ルートは、介護の現場で3年以上の実務経験を積んだうえで、実務者研修を修了し、国家試験に合格するという流れです。
未経験から介護業界に入った場合、多くの方がこのルートで介護福祉士を目指すことになります。
養成施設ルートは、介護福祉士養成施設(専門学校や大学など)を卒業することで受験資格を得る方法です。
すでに介護業界で働きながら資格取得を目指す方には、実務経験ルートの方が現実的な選択肢になることが多いでしょう。
実務者研修は、働きながら通信講座と通学を組み合わせて受講できる講座も多く、初任者研修からのステップアップとして位置づけられています。
国家試験自体は、筆記試験が中心で、実技試験は原則免除されるルート(実務者研修修了者など)が一般的です。
出題範囲は「人間の尊厳と自立」「介護の基本」「こころとからだのしくみ」など多岐にわたりますが、実務経験を積みながら学ぶことで、現場の実感と結びつけて理解しやすいという声もあります。
未経験から介護福祉士を目指すキャリアパス


未経験から介護業界に入る場合、まずは無資格または「介護職員初任者研修」からスタートし、実務経験を積みながら「実務者研修」を修了、そのうえで介護福祉士の国家試験に挑戦するという段階的なキャリアパスが一般的です。それぞれの段階で給与水準が上がっていく仕組みが整っているため、資格取得を焦らず、実務経験を積みながら着実にステップアップしていくことができます。
会社によっては、実務者研修や介護福祉士の受験対策講座の費用を負担してくれる制度を用意していることもあります。
未経験からの転職を検討する際は、資格取得支援制度の有無・内容も比較しておくと、将来的な給与アップの見通しが立てやすくなります。
未経験からの介護職転職の進め方は介護職への未経験転職を解説した記事で詳しく整理しています。
転職で知っておきたい注意点
介護福祉士の資格があれば必ず高給与の職場に転職できるというわけではなく、施設の種類・地域・法人の規模によって実際の待遇には差があります。
求人を比較する際は、基本給だけでなく、資格手当・処遇改善加算がどのように分配されているかも確認しておくとよいでしょう。
介護職の転職サイト・エージェントの比較は介護の転職サイト比較記事もあわせてご覧ください。
また、資格を取得しても、実際に資格手当が支給されるかどうか、支給額がいくらかは事業所ごとの規定によります。
求人票に「資格手当あり」と書かれていても、金額が明記されていないことも多いため、面接や条件確認の段階で具体的な金額を確認しておくと、転職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
介護福祉士の給料に関するよくある質問
- 介護福祉士になると給料は本当に上がりますか?
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厚生労働省の調査によると、介護福祉士の平均給与は無資格の介護職員より月59,430円高いというデータがあります。多くの事業所で資格手当が設定されているため、給料アップにつながりやすい資格です。
- 介護福祉士より給料が高い資格はありますか?
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厚生労働省の調査では、社会福祉士は平均397,620円、介護支援専門員・ケアマネジャーは平均388,080円と、介護福祉士の平均350,050円より給与が高くなっています。
介護福祉士取得後、さらに上位資格を目指すことも可能です。
- 未経験からでも介護福祉士を目指せますか?
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はい、目指せます。まずは介護職員初任者研修からスタートし、実務経験を積みながら実務者研修を修了、その後国家試験に挑戦するという段階的なルートが一般的です。
- 介護福祉士の資格取得にはどのくらいの実務経験が必要ですか?
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実務経験ルートの場合、介護の現場で3年以上の実務経験に加えて、実務者研修の修了が必要です。その上で国家試験に合格することで資格を取得できます。
- 資格取得費用を会社が負担してくれることはありますか?
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実務者研修や国家試験対策講座の費用を負担する制度を用意している会社もあります。未経験からの転職を検討する際は、資格取得支援制度の有無を求人票や面接で確認しておくとよいでしょう。
- 介護福祉士の国家試験は難しいですか?
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筆記試験が中心で、実務者研修修了者などは実技試験が原則免除されます。出題範囲は幅広いですが、実務経験を積みながら学ぶことで現場の実感と結びつけて理解しやすいという声もあります。
まとめ:介護福祉士は給料アップにつながる現実的な選択肢
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格であり、取得することで給与水準が上がる仕組みが公的データからも裏付けられています。
無資格から始めても、初任者研修・実務者研修と段階を踏んでステップアップしていくことで、着実に介護福祉士を目指すことができます。資格取得支援制度がある会社を選ぶことも、無理なくキャリアアップしていくための有効な方法です。
資格取得には時間がかかりますが、その分、給与や任される仕事の幅が段階的に広がっていく分かりやすいキャリアパスでもあります。
今すぐ無資格で転職するにしても、将来の資格取得を見据えて、支援制度が整った会社を選んでおくことが、長期的なキャリア形成につながります。
介護業界は人手不足が続いている一方で、資格や経験に応じた処遇改善の動きも進んでいます。
目の前の求人だけでなく、数年先のキャリアパスまで見据えて転職先を選ぶことをおすすめします。
掲載している統計データは調査時点のものです。
本記事は公的統計データおよび取材内容をもとにブルーカラーの教科書編集部が作成しています。








