「介護職に転職したいけれど、後悔しないか不安」という声はよく聞かれます。
実際に介護職へ転職した人の中には、体力面や人間関係で「思っていたのと違った」と感じる人がいるのも事実です。
介護転職の後悔は、体力・人間関係・給与・仕事内容のイメージのギャップという4つの要因に大きく分けられます。それぞれの中身と背景を知っておけば、事前に対策を立てることができます。
本記事では、公的な統計データと実際に未経験から介護職へ転職した方の声をもとに、後悔しやすいポイントと、その対策を整理して解説します。
これから転職を考えている方はもちろん、すでに転職して「これでよかったのか」と感じている方にも参考にしていただける内容です。
感覚的な不安のまま転職に踏み切ると、後から「知っていれば防げた」というギャップに直面しやすくなります。事前に具体的な理由を知っておくことが、遠回りに見えて一番の近道です。
介護転職で「後悔した」と感じる人はどれくらいいる?
公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護職員の離職率は12.8%(令和6年度)と、全産業平均の14.2%を下回る水準にとどまっています。
つまり、介護職に転職した人の大半は働き続けているというのが実態です。
一方で、離職した人の理由を見ると、転職前のイメージと現場の実態にギャップがあったことがうかがえます。
最も多い離職理由は「職場の人間関係に問題があった」で34.3%。前年度から6.8ポイント増加しています。
離職理由は人間関係だけでなく、事業所の運営方針への不満や収入面など複数の要因が絡み合っていることも多く、一つの原因だけで語れるものではありません。
次の章から、この人間関係を含めた「よくある後悔ポイント」を1つずつ具体的に見ていきましょう。
なお、離職率が低いからといって「後悔する人がいない」わけではありません。
入職から数か月以内に「思っていたのと違う」と感じて早期に離れる人が一定数いるからこそ、こうした後悔ポイントが検索されているとも言えます。
逆に言えば、この最初の数か月をどう乗り越えるかが、後悔するかどうかの分かれ目になりやすいということでもあります。
よくある後悔①体力的にきつかった

介護の仕事は、入浴介助や移乗介助など、利用者の体を直接支える場面が多くあります。
想像していた以上に体力を使う仕事だった、という声は未経験からの転職者に共通して聞かれます。
特に入職1〜2か月は、慣れない動作で筋肉痛や腰痛に悩まされる人も少なくありません。
夜勤がある職場では、生活リズムの変化も体への負担として重なってきます。
座って作業する時間が短く、立ち仕事の合間に利用者を支える動作が続くため、初日から足腰が痛くなったという声も珍しくありません。
ただし多くの場合、正しい介助方法を身につけることで身体への負担は徐々に軽くなっていきます。力任せに支えるのではなく、体の使い方(重心の位置や声かけのタイミング)を覚えることが、体力面の負担を減らす近道です。
実際に、入職1〜2か月は毎日筋肉痛だったものの、介助のコツをつかんでからは負担が軽くなったという声も複数寄せられています。
年齢を重ねてからの転職では体力面の不安が大きくなりがちですが、事前にウォーキングなどで体を慣らしておく、自分に合った靴を選んでおくといった準備で、初期の負担を和らげられます。
よくある後悔②職場の人間関係
先ほどの調査結果のとおり、介護職の離職理由でもっとも多いのは職場の人間関係です。
介護施設は女性スタッフの割合が高い職場も多く、スタッフ同士の連携や価値観の違いに戸惑うケースがあります。
異業種から転職した人の中には、それまで機械や物を相手にする仕事が中心で、対人関係の比重がここまで大きい仕事は初めてだったという声もあります。
「介護の仕事自体は少しずつ慣れていきましたが、一番想定外だったのは職場の人間関係です。女性が多い職場ということもあり、悪口や噂話を耳にする機会が想像以上に多く、最初は戸惑いました」
実際にこうした声もあるように、業務そのものより人間関係の方が想定外だったというケースは珍しくありません。
介護の現場はシフト制で勤務するスタッフが日によって入れ替わるため、特定の相手とじっくり関係を築きにくいという構造的な要因もあります。
また多忙な現場では、業務の合間に十分なコミュニケーションが取りづらく、些細なすれ違いが積み重なりやすい面もあります。
面接や職場見学の段階で、スタッフ同士の雰囲気を観察しておくことが、後からのギャップを減らすヒントになります。
よくある後悔③給与・待遇が想定と違った


体力面・精神面で大変な思いをした分、給与に納得感が持てないと後悔につながりやすくなります。
先ほどの調査では、賃金が月給制の介護職員の平均月収は248,884円(前年度比3.1%増)と報告されており、給与水準は年々改善傾向にあるものの、前職と比較して下がったと感じる人もいます。
特に異業種から未経験で転職する場合、資格手当や夜勤手当を含めた総支給額で比較しないと、想定とのズレが生まれやすい点に注意が必要です。
例えば基本給だけを見て前職より低いと感じても、夜勤手当や処遇改善加算による手当を含めると、実際の総支給額はそれほど変わらないというケースもあります。
逆に基本給が高く見えても、夜勤の回数が少なく手当がほとんど付かない場合は、月々の総支給額が期待より少なくなることもあるため、内訳まで確認する姿勢が欠かせません。
介護福祉士の資格取得後の給与について詳しくは、介護福祉士の転職・給料を解説した記事で紹介しています。
入職時点では前職より給与が下がるケースがあっても、資格を取得してキャリアアップすることで収入が上がっていく道筋もあります。
「今の給与」だけでなく「数年後にどこまで上がる見込みがあるか」まで含めて比較すると、後悔を減らしやすくなります。
よくある後悔④仕事内容のイメージと現実のギャップ
「人と接するのが好きだから」という理由だけで介護職を選ぶと、想像していた仕事内容とのギャップに戸惑うことがあります。
排泄介助・入浴介助といった身体的なケアに加え、記録業務や医療的な知識も求められる場面が多いためです。
利用者一人ひとりに合わせた対応方法を覚えるまでに時間がかかる、という声も多く聞かれます。
同じ介助でも人によって適したやり方が異なるため、最初はマニュアル通りにいかず戸惑う場面が続くことも珍しくありません。
さらに、日々の様子を記録する業務や、体調変化を看護師と共有する報告業務など、直接的な介助以外の仕事も一定の割合を占めます。
「利用者と接する時間が仕事のすべて」というイメージのまま入職すると、事務作業の多さに戸惑うこともあるため、業務全体の内訳を事前に確認しておくと安心です。
また、レクリエーションの企画や行事の準備など、直接の介助以外に幅広い業務を任される施設もあり、施設の種類によって仕事内容の比重はさまざまです。
求人票の「主な仕事内容」だけでなく、1日の業務の流れを具体的に質問しておくと、入職後のイメージのズレを減らせます。
転職前に確認しておきたいポイント


- 教育体制:未経験者向けの研修やOJT期間が用意されているか
- 夜勤の回数・体制:月に何回程度あるか、一人夜勤かどうか
- 人員配置:利用者数に対してスタッフの人数が十分か
- 給与の内訳:基本給・資格手当・夜勤手当を含めた総支給額
- 職場の雰囲気:可能であれば職場見学でスタッフの様子を確認する
教育体制が整っていない職場では、未経験のまま現場に出されて戸惑う場面が増え、体力面・仕事内容のギャップという2つの後悔要因につながりやすくなります。
夜勤の回数や人員配置は、体力的な負担だけでなく、忙しさによる人間関係のすれ違いにも影響する項目です。
これらは求人票だけでは分かりにくい情報も多いため、面接や職場見学の場で遠慮せずに質問することが後悔を減らす近道です。
求人サイトの選び方については、介護の転職サイト比較記事もあわせて参考にしてください。
後悔だけではない、介護職に転職してよかったという声
ここまで後悔しやすいポイントを中心に紹介してきましたが、前向きな声があるのも事実です。
「未経験でも働きながら知識や技術は身につけられますが、給与だけで職場を選ばず、教育体制や夜勤の回数、人員配置まで確認した方がよいと思います。私も最初は入浴介助や移乗介助で戸惑いましたが、慣れていくにつれて自信につながりました」
実際にこの方のように、最初の戸惑いを乗り越えた先で「続けてよかった」と感じている人も多くいます。
利用者から直接「ありがとう」と声をかけてもらえる場面や、日々の変化に寄り添えたと実感できる瞬間は、他の職種では得づらいやりがいとして語られることが多いポイントです。
後悔しやすいポイントをあらかじめ知っておくこと自体が、実は一番の後悔対策になります。不安要素を先回りしてつぶしておくことで、入職後のギャップを小さくできます。
後悔しにくい人に共通する考え方
ここまで紹介してきた声を見比べると、後悔せず働き続けている人にはいくつかの共通点があります。
- 体力面のきつさを「最初だけ」と割り切り、体の使い方を少しずつ覚えていった
- 職場の人間関係を「合う・合わない」で判断し、無理に馴染もうとしすぎなかった
- 給与を基本給だけでなく、資格取得後の見込みまで含めて考えた
- 分からないことを一人で抱えず、先輩や上司に早めに相談した
完璧にこなそうとせず、少しずつ慣れていく姿勢が結果的に後悔を減らしています。
最初からすべてが思い通りにいく転職はほとんどありません。事前の情報収集と、入職後の柔軟な姿勢の両方が、後悔しない介護転職につながります。
「向いているかどうか」は働いてみないと分からない部分も大きいため、不安な点は転職エージェントや職場見学の場で率直に相談しておくことをおすすめします。
よくある質問
- 介護職への転職で一番後悔しやすい理由は何ですか?
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介護労働安定センターの令和6年度調査では「職場の人間関係に問題があった」が34.3%で最も多く挙げられています。体力面や給与とのギャップも後悔につながりやすい理由です。
- 未経験からの介護転職は後悔する人が多いのですか?
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介護職員全体の離職率は12.8%で全産業平均を下回っており、大半の人は働き続けています。後悔を避けるには、転職前に職場の教育体制や人員配置を確認することが重要です。
- 介護転職の面接で確認しておくべきことは何ですか?
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教育体制、夜勤の回数と体制、人員配置、給与の内訳(基本給・資格手当・夜勤手当)、職場の雰囲気の5点を確認しておくと、入職後のギャップを減らしやすくなります。
- 介護職に転職して後悔した場合はどうすればいいですか?
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同じ介護業界内でも施設形態を変えることでギャップが解消される場合があります。訪問介護やデイサービスなど働き方が異なる職場への転職も選択肢の一つです。
- 介護職への転職は給料が下がりますか?
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異業種から未経験で転職する場合、入職時点では給与が下がるケースもあります。ただし資格取得や経験年数に応じて昇給していく仕組みが多いため、数年単位で収入の見込みを確認することが大切です。
まとめ
介護転職の後悔は、体力・人間関係・給与・仕事内容のイメージのギャップという4つに大きく分けられます。
特に人間関係は介護職の離職理由で最も多い要因のため、面接や職場見学の段階で職場の雰囲気を確認しておくことが後悔を減らす近道です。
教育体制や夜勤の回数、人員配置、給与の内訳といった具体的な項目を事前にチェックし、納得したうえで転職先を選びましょう。
後悔しやすいポイントを知っているだけでも、面接や職場見学で見るべき視点が変わり、入職後のギャップは小さくできます。
体力・人間関係・給与・仕事内容という4つの視点を一つずつ確認しながら、自分にとって無理のない職場かどうかを見極めていきましょう。








